社内コミュニケーションの目標設定方法とは?SMART目標を活用しよう
「目標と目的を設定することは、戦略的計画を策定するための第一歩です」。このフレーズに聞き覚えがあるのではないでしょうか?恐らくこの記事でだけでなく、何度も目にしたことがあるでしょう。それは単にこの記事で取り上げているからではなく、目標設定はあらゆる戦略策定プロセスの中核をなす最も良い行動だからです。
社内コミュニケーションの目標はどうやって設定する?
毎年年初めに年間計画を立てる際、社内コミュニケーション担当チームには対処しなければならない問題が次々と出てきます。
このとき、複数の利害関係者の要求やニーズを満たすことを目指し、具体的な目標を持つことが極めて重要です。
社内コミュニケーション戦略が効果的を発揮するには、それが具体的に定められていなければなりません。
しかし、達成すべきことが無限にあり、尊重すべきニーズも存在することを考えると、思った以上に複雑になる可能性があります。特に、社内コミュニケーションの方法も、よりデジタル化されたチャネルが主流になりつつあることから、なおさら複雑になってしまいます。
では、目標と目的を設定するにはどうすればいいのでしょうか?社内コミュニケーション戦略が依存する主要な要素に焦点を当てましょう。
- 事業目標 - 売り上げを伸ばしたいのか、ブランド認知度を向上させたいのか、あるいは顧客満足度の向上を目指すのか
- 従業員 - 従業員は仕事に熱心で意欲的か、アプローチをどのように改善できるか、企業文化はどのくらい盤石か
- コミュニケーションチャネル - 従業員とどうやってコミュニケーションをとるのか、たとえばメール、テキスト、ニュースレター、イントラネットなど。コミュニケーションにはどのようなギャップがあるか、 デジタルトランスフォーメーションはどのくらい進んでいるか
これらすべての質問に答えていくと、最終的にどうなりたいかと達成したいことが明確になります。
事業目標やビジョン、あなたが課題だと思ったことに基づいてコミュニケーション目標を立てましょう。
SMARTなコミュニケーション目標を設定する
目標を適切に設定すると、チームや仕事の進め方が決まり、社内コミュニケーション計画を実行するための構造と指針ができます。
逆に、SMART目標を設定できなければ、遅かれ早かれ、計画実行中に取り組みが停滞してしまう恐れがあるのです。
目標を設定する際は、以下の要素を満たすようにしましょう。
S - Specific(具体性)
目標はできるだけ具体的にすべきです。以下の質問に答えることで、あなたが達成したいことを説明する明確な行動指針を与えましょう。
- 何が目標なのか?
- どれくらいの量、または頻度なのか?
- どこで、いつ達成するのか?
M - Measurable(評価可能性)
目標を評価および分析するためのアプローチと手段を確認します。これにより、フィードバックの収集と比較が簡単になり、次の期間と比較するための定量 (または定性) 的な基盤が得られます。
A - Achievable(達成可能性)
目標はある程度難しいものであるべきですが、達成可能なものでなければなりません。しかし、達成の障害となるおそれのあるいくつもの変数によって、目標が変わってくる可能性があります。
時間をかけて、これらの要素一つひとつを再確認しましょう。そうすることで、目標達成期限や予算上の制限、さらには人手が足りないということがわかってくるかもしれません。
R - Relevant(関連性)
関連性を持たせる、言い換えると、目標は現実的なものにすることが重要だということです。 もし事業目標が収益性の向上だった場合、おそらく新規顧客の獲得は必要ないでしょう。
その代わり、従業員エンゲージメントと生産性を向上させること、または労働条件を改善することに焦点を当てるほうが理にかなっているかもしれません。
目標はあくまでも自分たちにとって意味のあるものにし、営業部や人事部と同じような事業目標を設定しないようにしましょう。
目標というのは、今あるものに応じて現実的で適用可能なものでなければならないのです。
T - Time-Bound(期限)
目標を達成するために、期限は不可欠です。達成期限を設定することで責任が生まれ、生産性を維持できます。
期限内に達成できなければチームのモチベーションが低下するおそれがあるため、現実的な期限を設定しましょう。
LumApps, the Employee Experience Platform
社内コミュニケーションの良い目標と悪い目標
以下の目標のうち、どれがSMART目標でしょうか?
- 新年早々、改善した従業員研修を行う。
- 2020年中に従業員数を 500 人増やす。
- 2020年上半期中に、現場スタッフのイントラネット利用率を20%向上させる。
最初の例を見てみると、多くの要素が欠けていることがわかります。
どのように研修を改善するのでしょうか?どんな分野の研修を実施する予定なのでしょうか?あまりにも漠然とした目標で、実際に行うのに必要な詳細が示されていません。
さらに、年始に始まる場合、いつどのように評価する計画なのでしょうか?
2番目の目標は最初の目標よりわかりやすく、SMARTチェックリストの項目をいくつか満たしています。
2020年中に500 人の新規従業員を採用したいことがわかり、これは簡単に評価し、結果を示すことが可能です。
また、人事部がすべき仕事であることは明らかであり、いつ結果が出るかも予測できます。でも、この目標は達成可能で現実的なものなのでしょうか?
現時点で従業員が10,000人以上いる企業にとっては可能かもしれませんが、従業員が1,000人規模の企業にとってはそうではありません。
50%の成長率を簡単に達成できる組織ばかりではないのです。そう考えると、目標を当初の事業状況分析結果に合わせて設定することの重要性がわかります。
正解は3番目の目標です!
この社内コミュニケーション目標から何がわかるでしょうか?
その年の半ばまでに、特定の従業員グループからのイントラネットのエンゲージメントとアクティビティを、 20%増加させる必要があるということです。
この目標には具体的なプラットフォームと特定の従業員層が明記されており、使用するコミュニケーションチャネルが示されています。これはその目標を実行に移すために最低限必要な情報です。
この目標は一見、事業目標と関連性がないように思えるかもしれません。しかし、現場スタッフをたくさん抱える組織にとって、顧客と最初に接する彼らとつながって情報を提供することは、収益に影響を与える可能性があるのです。
前述したすべての質問に答えると、最終的に到達したい場所と達成したいことが明確になります。コミュニケーション目標は、事業目標やビジョン、特定した課題に基づいて立てましょう。
自信を持って、事業のパフォーマンスと従業員満足度を向上させる社内コミュニケーション目標を設定しましょう。