デジタルワークプレイス戦略の5つの重要ステップ
効果的なデジタルワークプレイス戦略を策定するには、デジタルワークプレイスの目的やツール、最善策を理解することが不可欠です。現在は在宅勤務や出先での勤務など、柔軟な働き方が求められています。世界各地にいる従業員が、このような働き方をしやすいようにすることも重要です。以下で紹介する5つのステップを実行することで、組織内でデジタルワークプレイスの力を解き放ち、従業員がどこにいるかにかかわらず、最大限の生産性を実現するデジタルワークプレイス戦略を構築できます。
従業員を鼓舞するデジタルワークプレイス戦略を構築するには:
1. デジタルワークプレイス戦略を理解する
デジタルワークプレイスとは、人事システムや顧客管理システム (CRM) アプリケーション、メールといった、従業員が仕事で使用するすべてのテクノロジーの集合です。
すでにさまざまなデジタルツールを使っている組織がほとんどであり、より効果的なデジタルワークプレイス環境を構築しやすくなっています。
実際、具体的なデジタルワークプレイス変革戦略を策定することで、多くの組織がオフィスの近代化に向けた取り組みによって目に見える成果を上げています。
では、デジタルワークプレイス戦略とはどのようなものなのでしょうか?
デジタルワークプレイス戦略を構築する際は、従業員、テクノロジー、管理、ビジネス目標の4つの層を考慮する必要があります。
この4つの層すべてを組み合わせると効果的な戦略となり、従業員の生産性、満足度、定着率、コミュニケーションを向上させることができます。
2. ビジョンを定める
明確なビジョンを持たないまま新しいテクノロジーやプラットフォームに投資してしまうと、組織にとって長期的にはメリットのないものになってしまう可能性があります。
良い成果を上げるためには、デジタルワークプレイスのビジョンをビジネスゴールと一致させなければなりません。
では、デジタルワークプレイスのビジョンはどのように定めればいいのでしょうか?
まずは、従業員のエンゲージメントと生産性の向上など、職場環境を改善したい理由を明確にしましょう。
次に、管理職やディレクターといった関係者と緊密に連携して計画を練り、実行に移します。
3. ロードマップを作成する
デジタルワークプレイス導入計画、つまりロードマップを作成することで、組織内の全部署が連携し、ビジネス目標の達成に取り組めます。
さらに全部署を関わらせると、全従業員がプロセスの一部を担うことができ、イニシアチブの有効性が大幅に向上します。
では、新しいデジタルワークプレイス戦略のロードマップを作成するにはどうすればいいのでしょうか? 研究開発、マーケティング、営業、顧客サポート、製造、人事、ITなどの各部署に、次のことを聞いてみましょう。
- 従業員エクスペリエンスを向上させ、組織のデジタルワークプレイス導入計画をサポートするのに、どのようなテクノロジーの活用方法が考えられますか?
- 従業員の創造性と協働を向上させるようなワークスペースを、どのように作れますか?
その後、独自にリサーチを行い、得られた回答をもとに組織に導入する新しいテクノロジーを決定します。
4. ツールボックスを構築する
デジタルワークプレイスのツールボックスには、従業員が仕事を行うのに必要なツールとテクノロジーがすべて入っています。
ただし、理想とするデジタルワークプレイスのビジョンを定めていなければ、効果的なツールボックスを構築することはできません。
ビジョンがなければ、新しく導入するツールは特定の部署やグループしか恩恵を受けられないものになってしまう可能性があり、最悪の場合には、誰一人として恩恵を受けられないものになってしまう恐れすらあるからです。
では、デジタルワークプレイスのツールボックスには何を入れるべきなのでしょうか?
デジタルツールは、ほとんどの組織で大きく分けて8つのカテゴリに分類されており、それぞれ独自の方法でビジネス目標の達成をサポートしています。
- メッセージング:迅速なコミュニケーションを実現するツール (メール、インスタントメッセージ、つぶやきサイト、モバイルメッセージングなど)
- 生産性:従業員が効率的に作業できるようにするツール (ワードプロセッサ、表計算ソフト、電卓、プレゼンテーションソフトなど)
- 共同作業:従業員が共同作業できるようにするツール (Wiki、ウェブ会議、コミュニティ、チームルームなど)
- コミュニケーション:社内情報の発信と情報共有をサポートするツール (ブログ、イントラネットプラットフォーム、ポータル、パーソナライズされたホームページなど)
- 業務アプリケーション:従業員がセルフサービスアプリケーションにオンラインでアクセスできるようにするツール (ERP、CRM、人事システム、経費精算など)
- クラウドソーシング:組織が従業員のフィードバックやアイデアを集めるられるようにするツール (投票、フォーラム、調査など)
- 接続性:組織全体からそれに詳しい人や従業員を簡単に探し出せるツール (従業員名簿、組織図など)
- モビリティ:リモートワークを可能にするツール (ノートパソコン、スマートフォン、ホームオフィス、リモートスキャナーなど)
組織のビジネス目標を最もサポートしてくれるソフトウェアを選択したら、新しいテクノロジーを安全に導入するための計画を策定することが重要です。
5. 最善策を実行する
組織で抜本的な変更を行う前に、新しいテクノロジーの導入に伴って発生する可能性のある管理やリスク、コンプライアンスの問題を解決しなければなりません。
理想的な管理モデルがあれば、リスクを軽減しながら接続性と協働を最大化できます。
では、デジタルワークプレイスの最善策を実行するにはどうしたらいいのでしょうか?
次の4つの要素が整っているかどうか確認してください。
- 情報チェック:組織の評判、生産性、または機密情報への潜在的なリスクを分析できるようにする
- ポリシー研修:個人情報をどのように扱い、組織のブランドイメージを損なわないようにするにはどうすればいいかを、従業員に教育する
- 組織化された存在:組織全体に統一されたコミュニケーションモデルを示し、グループの孤立を防ぐ
- 危機管理:危機的な状況に、組織が迅速に対応できるようにする
これらの要素が確立したら、新しいデジタルワークプレイスを使い始める準備が整います。
デジタルワークプレイスを最大限活用する
理想的なデジタルワークプレイス戦略があると、従業員の成績や幸福度、エンゲージメントが向上します。
ほとんどの組織が、すでに何らかの形でデジタルワークプレイスを日常業務で使用しています。
そのため、既存のテクノロジーとビジネス目標に適したデジタルワークプレイス戦略を策定することは、今の状況に関係なく、組織に莫大な利益をもたらす可能性のある重要なステップなのです。