企業文化を醸成するための21つの方法
企業文化を改善する方法をお探しですか? 現代のビジネスにおいて、企業文化が重要であることは聞いたことがあるかもしれません。この記事では「企業文化とは何か」「なぜ重要なのか」「改善するためのアイデア」について説明します。
企業文化とは?
すべての会社には企業文化がありますが、それを定義するのは難しいものです。
企業文化は組織の生命線であり、組織が従業員、サプライヤー、顧客、コミュニティとどのようにコミュニケーションをとるかを定める社会的ルールです。
企業文化は組織全体に反映されます。以下のような領域で見られます。
- 会社の目的やゴール
- 会社のミッション
- 職場環境
- 従業員体験
企業文化は目に見えませんが、従業員、顧客、ベンダー、そして従業員の家族など、会社と関わる人々によって感じることができます。
そして企業文化は、会社の行動や信念、方針、リモートワークの可否、チームメンバー間のコミュニケーション方法、健康促進プログラムの有無なども含まれます。
なぜ企業文化は組織にとって重要なのか?
では良い企業文化とはどのようなものでしょうか?
会社や事業を成長・拡大させるためには、まず従業員が活躍する必要があります。
企業文化は、従業員が仕事に熱心に取り組み、貢献が評価されるものである必要があります。
O.C. Tanner Institute の調査によると、ポジティブな企業文化を持つ企業は以下のような結果が出ています。
- 「非常に意欲的な従業員」が4倍多い
- イノベーションを起こし、ハイパフォーマンスを発揮する従業員が7倍多い
- 過去12ヶ月間にレイオフを経験した可能性が11倍低い
企業文化は会社の成功に直結しています。
良い企業文化は、従業員の定着率を高め、離職率を低下させます。
従業員は意欲的に働き、よりポジティブな従業員体験を得ることができます。これらすべての要素は、会社の収益向上につながります。
強い企業文化を作るためには、休憩室にゲームや本・漫画を置いたり、プレミアムフライデーを用意するだけでは足りません。
行動計画を立て、それを実行することが必要です。
ではどのように企業文化を醸成していけばいいでしょうか。次は、そのアイディアを21つ紹介します。
1. 組織全体の透明性を改善する
透明性の高い組織を作ることは、従業員や組織全体にとってプラスに働きますです。チームメンバーとマネージャーが互いに信頼してコミュニケーションできるようになるだけでなく、顧客にとっても、その会社が高いサービス品質を守ることを信頼できるようになります。
LumAppsが提供するプラットフォームは、異なるタイムゾーンにいるチームメンバー間のオープンで透明性の高いなコミュニケーションを促進します。すべてのチームメンバーは会社からの重要なメッセージを受け取り、プラットフォーム上でチームメンバーや他の部署とコミュニケーションを取ることができます。
2. 職場で強い人間関係を築く
強い同僚関係を築くには、時間と労力が必要です。
場合によっては、会社がチームビルディングを促進するセッションを実施し、壁を取り壊し、従業員同士がお互いをよく知る必要があります。
職場でより強固な人間関係を築くことは、従業員同士の共通点を見つけて、仕事上のコミュニケーションをよりリラックスできるようにするためのものです。
3. 仕事以外の興味を共有する機会を作る
従業員は、仕事以外のことでお互いに話せる機会を持つ必要があります。
社員同士のつながりを生む機会を作ることは、信頼を築き、離職率を低下させ、企業文化を向上させる代表的な方法の1つです。
マネージャーは、昼食後に1on1で従業員と話す機会を設け、最初に仕事の話をするのではなく、仕事以外の趣味などについて尋ねることから始めてみましょう。
また会社・組織としてできることとしては、Lumappsなどの社内ポータルサイト上で、趣味や最近観たドラマなど仕事以外の話題について話すことができる場を設けることも検討してみましょう。
4. 従業員のキャリア目標達成を支援する
会社・組織は、社員にキャリアアップの機会を提供することを忘れてはいけません。
優秀な従業員が現在のポジションで学べる限りを学んでしまい、現在の会社・組織の下ではこれ以上学ぶことがない・キャリアアップできないと感じると、仕事に対し不満を持ち、他社への転職を考え始めるようになります。
優秀な社員の転職を防ぐ最善の方法は、明確なキャリアパスを作成・提供することです。そして従業員がキャリアアップに必要なステップやスキルを知ることができるようにします。
さらにマネージャーとの1on1ミーティングでは、そのチームメンバーとのキャリア目標についても話し合うようにしましょう。場合によっては社員にトレーニングの機会を提供することで、会社や組織が従業員や、その従業員のキャリア成長に投資していることを示すことができます。
5. 従業員の自律性を奨励する
職場での企業文化を向上させる最も効果的な方法の一つは、職場のマイクロマネジメントを撤廃することです。マイクロマネジメントは効率的とはいえません。また従業員は、マネージャーから仕事を任されていない、信頼されていないと感じます。
従業員に仕事の独立性を高める方法はいくつかあります。以下に例を示します。
- 従業員が勤務時間を選択できるようにする(ただし、一定の「コアタイム」は用意する)
- 従業員が週に数日、または個人的な都合や家族の都合で必要なときに在宅勤務できるようにする
- 従業員が職務記述の範囲内で独立して意思決定できるようにする
- マイクロマネジメントを行う上司や、同僚をいじめる者には、毅然とした態度で接する
6. 従業員の貢献を認識し、評価する
表面上は、従業員は給与を受け取るたびに会社への貢献に対して報酬を受け取っています。
しかし、「ありがとう」の一言も、仕事ぶりや努力が評価されているという声がなければ、従業員は意欲を失ってしまうかもしれません。
自分の仕事ぶりを評価してもらえない人は、次第に仕事で努力をする意欲が低下していきます。結果的に仕事への満足度が低くなり、転職を考えるようになることもあります。
努力を認識し、評価をするためには、まず会社の価値観と目標を明確にします。これにより、従業員の努力の方向性や評価を明確にすることができます。そしてその価値観に沿った行動や、目標を達成した人を評価するようにしましょう。
7. 柔軟性を提供する
従業員に柔軟性を提供することは、企業文化を向上させるための優れたアイデアの1つです。これは、会社が従業員に仕事以外にもプライベートの生活があることを認識し、どちらも重要であることを示しています。
注意しなければならないのは仕事の柔軟性は、従業員のライフステージやニーズによってさまざまな形態を取ります。
妊娠中の従業員とそのパートナーは、通院のために休暇を取る必要があるかもしれません。また子供がいる従業員は、仕事の合間に学校行事に行く必要があるかもしれません。
家族の介護もしている従業員は、在宅勤務や圧縮勤務(3日間、1日12時間勤務)などの柔軟性が必要になるかもしれません。
8. 従業員に仕事の目的意識を与える
人間は、仕事に意味や「やりがい」を求める根源的な欲求を持っています。
つまり仕事に目的があり、それが従業員にとって何らかの意味を持つ必要があります。現代では、仕事の目的意識を持つことがさらに重要になっています。
自分がやっている仕事が重要だと感じると、人はやる気と充実感を得ることができます。
経営者やマネージャーは、従業員が持つ仕事の目的と、その目的とのつながりがある仕事を提供する必要があります。従業員が自分の仕事が他の人にどのように役立っているかを知ると、自分の貢献や仕事に誇りを持ち、目的意識を感じます。
9. チームの雰囲気を作る
企業文化を向上させるための最良の方法の一つとして、全員を同じチームの一員として考えさせることです。同じ場所で働く人々のグループではなく、全員が同じ目線で、同じ目標に向かって努力させる必要があります。
すべての努力が共通の目標に向けられると、個人がそれぞれ自分の目標に向かって努力する場合よりも、結果が指数関数的に改善されます。
会社全体としてより大きな成功につながり、それはチームメンバー全員の成功につながります。
10. 定期的にフィードバックを行う
フィードバックは、企業文化を向上させるための方法の1つです。半年や1年などの長いスパンでなく、もっと短いスパンでチームメンバーに対しフィードバックをするようにしましょう。
以下はフィードバックを行う時の注意点です。
- フィードバックの内容は具体的である必要があります。また悪いところだけではなく、良いところも評価し、その良いところを継続できるように促しましょう。
- 悪いところを指摘する際は、相手の性格を攻撃してはいけません。どのように改善ができるか、も一緒に考えるようにしましょう。
11. 従業員の意見を聞く
会社や組織、マネージャーは従業員にフィードバックするだけでなく、従業員からのフィードバックも受けることができるようにしましょう。
具体的な方法として、従業員が自分の意見を共有できるプラットフォームを提供することが挙げられます。
そのプラットフォームは、職場環境の改善、対立の減少、企業文化の向上に関するアイデアをオープンに言える・聞ける環境であるべきです。また企業によっては、経営陣と従業員が意見交換できるミーティングを開催しているところもあります。
すべての従業員が、自分から会社や組織の懸念や課題について発信すること望んでいるわけではありません。ときには経営陣から従業員に対してアプローチし、従業員の気持ちを引き出すことも重要です
12. 協調性を高める
協調性が高い組織は、チームや部門間のコミュニケーション、ナレッジ共有を積極的におこなうようになります。そして、組織間のいわゆる「縦割り」を解消することにもつながります。
また仕事で助けが必要なときに、チームメンバーや上司に相談しやすい環境を整えることも大事です。締め切りギリギリ、または締め切りを過ぎてから相談をすることは、チーム全体にストレスを与えてしまいます。
13. 研修・トレーニングを面白くする
研修資料や教材が古く退屈なものになっていませんか?
更新がされていない・分かりづらい研修資料は、従業員の理解を阻害し、興味がうすくなってしまう可能性があります。
研修資料にはゲームやクイズなどのアクティビティを追加し、学習を楽しくさせるように工夫しましょう。まず「教材に対して興味を持ってもらう」ことが重要です。
14. 職場で多様性・公正を尊重する
企業が多様性の重要性を認識するだけでは十分ではありません。人々の違いが尊重され、誰もが敬意を持って扱われていることが重要です。従業員は、昇格や任される仕事の内容などで、差別されていると感じてはいけません。
理想的には、企業は社会を反映する必要があります。人種的に多様なチームを持つことは、さまざまな背景や視点を持つ従業員が、仕事・個人として職場に貢献する機会を持つことを意味します。
15. 新入社員との関係を築く
新入社員には、必要な人事関連の書類をまとめたり、社内研修など、新しい仕事をすすめるための様々な準備が必要です。そして同時に、その企業の企業文化についても学ぶ必要があります。しかしながら、企業文化のマニュアルはありません。新入社員は、同僚や上司との交流を通じて企業文化を学んでいきます。
新入社員の新しい職場に対する最初の印象は、その後も長く残ります。
新入社員が他の従業員から歓迎され、交流をする時間を取れば、新入社員はポジティブな印象を持ち、長期的に会社に留まる可能性が高くなります。
16. ベテラン社員と新米社員の交流を促進する
ベテラン社員によるメンタリングを促すことは、企業がチームメンバー全員の協力や、専門的な知識・スキルの向上を重要視していることを示しています。
必ずしも同じチームである必要はありませんが、できれば同じチーム・関連性が高いチームのベテラン社員をメンターとして、新入社員との定期的な1on1の場を設定しましょう。
ベテラン社員は新入社員に仕事の進め方やアイデアなどを共有し、新入社員の知識を広げる手助けをするようにしましょう。
17. 心理的安全性を高める
人は、自分が自分らしくいられると感じ、批判や嘲笑を恐れずに自分の考えを表現できる環境でこそ、心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)が生まれます。従業員が自分の仕事に対して認められ、企業や組織が開催を予定しているイベントに招待されていると感じると、職場はより良いものになります。
心理的に安全な環境とは、誰もが敬意を払い、嫌がらせを受けない環境です。すべての人に平等な成功の機会を与えます。従業員が間違いを犯したときは、その出来事を学びの機会として扱い、屈辱を与えたり罰したりすることはしません。
18. 従業員のメンタルヘルス改善に取り組む
従業員の精神的健康(メンタルヘルス)は、身体的な健康と同じように非常に重要なことの1つです。それは従業員がオフィスで働いていようと、リモートワークをしていようと関係ありません。
従業員は仕事によるプレッシャーからストレスを感じたり、燃え尽きてしまったりすることがあります。
マネージャーやチームリーダーは、定期的にチームメンバー全員と連絡を取り合い、ムリしていないか、休息が必要かどうかを確認し、適切に対処する必要があります。誰もが自身のメンタルヘルスを犠牲にしてまで仕事を頑張りたいわけではありません。
従業員が自分自身のキャリア目標に対してハングリーであることは悪いことではありませんが、状態をみながら有給休暇、フレックスタイムなどの福利厚生を利用していることを確認してください。
19. すべての従業員が自分らしくいることを奨励する
誰もが独自の個性と世界観を持っています。仕事に行く人は、単なる数字・社会の歯車として扱われたいわけではありません。職場での行動にはある程度の基準があるべきですが、従業員は自分らしくいることを奨励されるべきです。
従業員が自分らしくいられていると感じれば感じるほど、仕事中のメンタルヘルスは保たれ、より生産的に仕事に取り組むようになります。
20. 企業の大事な価値観に焦点を当てる
企業・組織の価値観を明確にもち、それらを浸透させることは非常に重要なことです。その価値観は企業の存在理由の礎であるべきであり、企業・組織をどのように運営するのかという指針となるものです。
職場の企業文化を向上させることが目標である場合は、その目的で下されるすべての決定において、企業の価値観を最前線に置いてください。企業が透明性と誠実さを重視していると言っておきながら、それらの価値観とは全く逆の行動を取るのは何の意味もありません。
21. 企業文化の改善を優先事項にする
多くの企業は企業文化を改善したいと言っていますが、実際に変化を起こすために必要な時間と注意を払いません。先述の通り企業文化は、企業のミッションや価値観に合致する必要があります。
企業文化を向上させたい場合は、組織内の誰もがそのミッションや価値観を理解し、日々実践しているものでなければなりません。
そして大事なことは、企業文化の改善は、一度試して終わりにするものではありません。企業が成長・変化していく過程で、常に試行錯誤を続けなければなりません。