【最新】従業員エンゲージメントに影響を与える15の重要要素
従業員を最大限活用したい企業にとって、従業員エンゲージメントが重要であることは周知の事実です。
従業員エンゲージメントに最も影響を与える要素は何でしょうか?この記事では、最も重要な15の要素について詳しく解説していきます。
従業員エンゲージメントとは?
従業員エンゲージメントとは、従業員が仕事や職場に対してどれくらい関心を持って熱心に取り組んでいるかを表す指標です。
企業は従業員エンゲージメントを測定(および管理)することで、従業員が職場文化に対してどう思っているのかを把握できます。
具体的に言うと、従業員が仕事に積極的に取り組んでいるのか、単に給料をもらうために最低限の仕事しかしていないのかを判断できるのです。
また、今の採用方針が企業にとって良い結果につながっているのか、改善の余地があるのかを把握することもできます。
従業員エンゲージメントの重要な要素に気をつければ、従業員が仕事や会社とより良い関係を築くために、あなたに何ができるかがわかりますよ。
なぜ従業員エンゲージメントが重要なのか?
従業員は毎日職場にやってきて、自分やほかの従業員、そして組織全体に影響を与えるような行動をします。
企業が従業員をどのように扱うか (そして従業員が互いにどのように接するか) によって、従業員の働く姿勢は大きく変わってきますが、それはポジティブなものにも、ネガティブなものにもなりえます。
従業員が仕事に熱心に取り組んでいなければ、チーム全体もそうなりがちです。そうなると、良いビジネス成果を上げることが難しくなります。
ギャラップ社の調査によると、業績上位25%の部署は、下位25%の部署と比較すると次のような違いが見られました。
- 欠勤率が81%低い
- 事故発生率が64%低い
- 患者の安全に関するインシデント(転倒や死亡事故)が58%少ない
- 高離職率企業における離職率が43%低い
- 品質不良(欠陥品)が41%少ない
- 盗難による在庫の減少が28%少ない
- 収益性が23%高い
- 生産性(売上)が18%高い
- 低離職率企業における離職率が18%低い
- 顧客ロイヤルティが10%高い
従業員エンゲージメントを向上させる方法
管理職は、企業内の従業員エンゲージメントのレベルを左右するうえで重要な役割を果たします。
その役割としては、チームメンバーに自分が何をすべきか確実に把握させ、彼らの努力をサポートすることなどが挙げられます。
管理職というのは、従業員の努力が組織の成功にどのように貢献しているかを本人たちに伝えるのに、これ以上ないポジションなのです。
管理職にとって、従業員との指導面談を継続して行うことは不可欠です。
こうした面談では、管理職のほうから従業員のところに足を運び、仕事に対する気持ちや、初期段階で抱えている不満などを解消できるようにしましょう。
ただし、部下をこと細かに管理しているような印象を与えてはいけません。
マイクロマネジメントは、仕事の満足には決してつながらないのです。
【最新】従業員エンゲージメントに影響を与える15の重要要素
経営者が管理職に対し、単に「チームを指導して、彼らのエンゲージメントについて君がどう思っているのか私に共有しなさい」と伝えるだけでは不十分です。
必要なのは、従業員エンゲージメントと彼らのモチベーションに影響を与える要素について、管理職が完全に理解しているかどうか確認することだからです。
1. 仕事に対する満足度
仕事に対する満足度は、従業員エンゲージメントに影響を与える最も重要な要素の一つです。
仕事に満足感を持てなければ、熱心に取り組むことも難しくなるからです。この要素には以下のものが含まれます。
- 企業そのもの
- 企業のリーダーシップ
- 同僚
- 職場環境
ほかにも、給与水準や福利厚生、昇進の機会といった要素が挙げられます。
ストレスの多い仕事をしていても、給与や福利厚生がしっかりしており、キャリアアップのチャンスがあると感じていれば、その仕事に満足していると言えるでしょう。
一方で、同じような仕事をしていても、給与が業界水準に達していないと感じていたり、昇進の見込みのない企業で働いたりしている人は、仕事に対して不満を示すかもしれません。
2. 意義と目的を感じるかどうか
仕事に意義を見出している従業員は仕事熱心であり、エンゲージメントが高くなります。
すべての企業が自社の従業員にとって意義のある仕事を作り出すことはできませんが、具体的な行動を起こすことで、彼らの仕事に対する満足度とエンゲージメントを向上させることはできます。
その行動としては、以下のものが挙げられます。
- 従業員の仕事が、顧客に対してどのようにプラスの影響を与えているのかを示す。
- キャリアカウンセリングやメンターシップ制度など、キャリア開発の機会を充実させる。
- 従業員向けの研修機会を充実させる。
これらによって仕事に意義を見出した従業員は、仕事に熱心に取り組み、企業に長期的に貢献してくれる可能性が高くなります。
3. 企業文化
企業文化は、次のようなさまざまな面でエンゲージメントに影響を与えます。
- ウェルカムな雰囲気で活気に満ち、ポジティブな考えの職場文化のなかで過ごす従業員は、ネガティブでストレスを抱えている従業員よりもエンゲージメントが高くなる。
- 企業文化に合っている従業員は、仕事にエンゲージメントする可能性が高くなる。
- 優秀な成績を収めた従業員を認め、それに報いると、従業員の生産性とエンゲージメントが向上する。
つまり、企業がどんな問題に対しても細やかな分析を行い、解決策を講じれば、企業文化を改善できるのです。
場合によっては、企業文化全体を変える必要があるかもしれません。また、人材管理の方法や新しいデジタルツールへの投資の仕方を考えるべき企業もあるでしょう。
たとえば社内イントラネットを使うと、新規採用した従業員の教育がうまくいき、全従業員が企業文化に馴染むようサポートできます。
4. 労働環境
労働環境も、従業員エンゲージメントに影響を与える要素の一つです。
現在、リモートワークをしている従業員も多いため、ここで言う「労働環境」が物理的なワークスペースだけを指しているわけではありません。
労働環境には、従業員エンゲージメントに影響を与える以下の要素も含まれます。
- 雰囲気、気候、文化
- 経営者の行動と態度
- デジタルワーク環境
- 従業員の行動と態度
こうした要素はすべて相互に作用し、従業員エンゲージメントに影響を与えます。
それはポジティブなものにもネガティブなものにもなりえます。
従業員は職場に行くと、そこの雰囲気をまるでスポンジのように吸収してしまう傾向があります。
雰囲気や企業文化、経営者の態度やその他の要素が、仕事に対する自分の態度にどのように影響を与えているか、従業員自身は気づいていないかもしれません。
しかし、ほかの従業員と足並みがそろわなければ、モチベーションを維持し、仕事に熱心に取り組むことは極めて難しいでしょう。
5. キャリアアップの機会
優秀な従業員は、入社の時点でキャリアパスを示してくれる企業に興味を持ちます。
何年努力すればキャリアアップにつながるのかを、把握しておきたいと思っているのです。しかし最近の社会人は、仕事に飽きたり不満を感じたりすると、すぐに別の仕事に転職してしまう傾向があります。
従業員に今の仕事に熱心に取り組んでもらい、自社にいてもらいたいと考えている雇用主の方は、彼らのキャリアアップを優先すべきです。
昇進の見込みについて、採用面接の段階で話し合うのが時期尚早だなんてことは決してありません。キャリアアップに関する話し合いは、面接のプロセスにおいて重要視されるべきなのです。
新規採用の従業員にはキャリアカウンセリングを行い、必要に応じて社内での研修機会を設ける必要があります。
彼らが興味を持ったほかのポジションについて何か感じてもらうために、ほかの部署の仕事をこっそり見学させたり、社内のほかの仕事について学ぶ機会を与えたりしましょう。
6. 企業経営とリーダーシップ
経営者や管理職は、従業員の満足度に大きな影響を与えます。従業員がリーダーを尊敬できると、指示を聞き、それに従う可能性が高くなるのです。
しかし、企業経営がうまくできていないと、次のような面において悪影響が出ることがあります。
- 従業員エンゲージメント
- 業績と生産性
- 定着率
- 職場文化
企業経営を改善するには、時間と労力が必要です。
しかし、その見返りにはそうするだけの価値があります。時間と労力をかければ、従業員は仕事に熱心に取り組み、率先して協力するようになり、組織全体がより良くなるからです。
なお、経営を改善する最も効果的な方法は、リーダーシップ開発プログラムを導入し、そのときどきでプログラムを最適なものに作り変えていくことだと言えます。
7. デジタルに関する従業員エクスペリエンス
時が経つにつれ現代企業がますますデジタル化されていくなか、あらゆる従業員エクスペリエンスにおいて、デジタルワークプレイスがより重要な役割を果たすようになってきています。
雇用主は、デジタル従業員エクスペリエンスを次のような方法で向上させることができます
- 社内インフラとITツールのアップデート
- 従業員エクスペリエンスを管理・改善するために社内イントラネットを導入する
- 新規採用者向けのデジタル教育とデジタルトレーニング機能を改善することで、彼らが自分は歓迎されていると感じたり、自分の持つスキルと知識を使って入社後すぐ会社に貢献できるようにしたりする
組織内のデジタルエクスペリエンスを改善するには、まず従業員の満足度を評価します。
次に、問題点とその解決策を見つけます。
最も良い方法は、一番簡単なことから始めることです。
つまり、最初は低コストで解決できる問題から取り組み、その後よりコストがかかる難しい問題に取り組んでいくのです。
8. 柔軟な勤務スケジュール
柔軟な勤務スケジュールは、従業員エンゲージメントに影響を与える重要な要素の一つです。
「サンドイッチ世代」と呼ばれている従業員は、子どもや高齢の親の世話をしなければなりません。これは彼らがエンゲージメントの高い従業員になりたくないということではありません。
本来働ける時間であるにも関わらず、仕事以外にやるべきことがたくさんある、ということを意味しているのです。
フレックスタイム制は、在宅勤務をしたり、始業時間を早めたり遅らせたりすることができる制度です。つまり、必要に応じて子どもの学校の送迎ができるのです。
また、親を医療機関に連れて行ったり、親が暮らしている長期介護施設や自宅を訪ねたりすることもできます。
こうした柔軟な対応により、従業員の質が高くなったりストレスが少なくなったりし、彼らの生産性が向上するのです。
9. 公正な給与体系
給与というのは、従業員の間で話題に出すにはデリケートな問題です。
特にキャリア開発の機会をうかがっている従業員にとって、給与体系を理解することは重要です。
給与体系がどのように機能し、従業員の昇進の判断をする際にどういった要素を考慮するのか、企業が明確に示すことが重要です。
なお、給与体系の透明性を保つ方法の一つとして、求人広告に公開求人の給与範囲を掲載することが挙げられます。
そうすれば、求職者が応募前に正確な給与を知ることができます。
10. 従業員の継続的な学びを奨励する
従業員エンゲージメントの重要な要素の一つは、従業員が新しい知識を習得し続けるよう奨励する企業文化を、雇用主が作り出すことです。
たとえば、全従業員が利用できるバーチャルナレッジベースを導入することで、従業員間の情報共有を促進できます。このバーチャルナレッジベースには、文書や研究論文、契約書のひな形や、必要に応じて従業員が自由に検索できるインターネットアクセスなどが含まれます。
会社が収益性を上げるためだけでなく、従業員たちが成長するためにもサポートしてくれているのだとチームメンバーがわかってくれたら、彼らは自社のためにより一生懸命働くようになるでしょう。
11. 文化的多様性
理想は、職場がその企業が属している地域社会を反映するものであることです。
企業はいろいろなバックグラウンドを持つ従業員を雇うことで、より力をつけるからです。
経歴や文化、宗教や信念がさまざまな従業員がいれば、その分職場に異なる視点がもたらされます。
そして彼らのおかげで、似たようなバックグラウンドの従業員が集まっている職場より、他者に対して寛容で理解のある職場ができるのです。
多様な文化を持つ従業員たちは、より優れたマーケターになります。
なぜなら彼らは、見込み客が必要としているものやニーズを、より多く理解できるからです。これは顧客サービスチームにも当てはまります。
サービスチームがさまざまなバックグラウンドを持つ従業員で構成されていると、顧客から質問や心配な点の問い合わせが来たときに、その人たちの立場になって対応できるのです。
12. 誠実さと透明性
誠実さと透明性は、従業員エンゲージメントの向上に欠かせません。
従業員は、経営者や管理職から平等に、かつ誠意をもって接してほしいと考えています。
自社が検討している変更点をうわさ話で、もしくはうわさ好きの従業員から聞きたい人なんていません。それらはたいてい、信頼できる情報源ではないからです。
業績が好調なときは、経営陣が従業員に直接知らせましょう。従業員が仕事上の功績を認められることは、企業の業務の一部であるべきだからです。
仲間が経営陣から認められているのを見ると、ほかの従業員も一層仕事に熱が入るはずです。
そして業績が悪いときもまた、経営陣が直接知らせなければなりません。CEOは業績改善策を簡潔に発表し、従業員に伝えましょう。
勤務時間削減やレイオフといった発表であっても、誠意を持って対応すれば、従業員はあなたたちの考えを尊重してくれるはずです。
13. 従業員採用に慎重を期す
従業員を採用する際は、採用決定前に慎重に検討することが重要です。
輝かしい履歴書があっても、仕事で成功するために必要なソフトスキルを持っていなければ、採用候補者としてふさわしくありません。
面接の過程で、採用候補者に対して現実的な仕事のシナリオを伴う質問をすれば、その人がどのように仕事を行うのか判断できます。
これは技術的なスキルや知識以上の資質を持った人を雇用するための、優れた戦略だと言えます。また、この質問をクリアして採用された人は、仕事に一生懸命取り組み、企業に貢献してくれることでしょう。
雇用主は採用決定前に、必ず採用候補者全員を評価するようにしなければなりません。採用でミスがあると、企業にとってはコストのかかる問題となってしまうからです。
適任でない人の代わりを探すのには時間がかかり、コストもたくさんかかり、従業員の士気にまで悪影響を及ぼしてしまうのです。
14. 従業員を仕事に巻き込む
従業員エンゲージメントは、仕事に積極的に関わる従業員が集まって作り上げられます。
雇用主が次の手順を実行することで、このプロセスを促進できます。
- 企業の全体的な方向性について、従業員がアイデアを共有できるバーチャル提案システム、またはオンライン討論会を導入する。
- 企業や企業の変遷において従業員が果たしてきた役割について、相手に関連した具体的な情報を提供する。
- 従業員が成功できるように、教育および開発プログラムを実施する。
- 従業員が何か貢献したらタイムリーに表彰する
経営陣は従業員の提案に耳を傾け、合理的だと判断した提案を実施すると約束しなければなりません。
さもなければ従業員の信頼を失ってしまうからです。そうなると彼らのエンゲージメントは低下し、転職活動を始めてしまうでしょう。
15. 最新のテクノロジーに投資する
従業員エンゲージメントを向上させる重要な要素の一つが、企業が日常的に使用するテクノロジーです。
従業員が仕事に全集中できるようにするためには、適切なテクノロジーが必要だからです。
従業員エクスペリエンスプラットフォームのような最新のテクノロジーに投資すると、彼らが仕事でイライラすることがなくなります。
現代のテクノロジーによって、基本的な仕事の機能は自動化され、従業員はより生産的に仕事をこなせるようになっています。
これにより彼らは、もっと興味のある楽しい仕事に集中し、それまでに得た教育やスキル、知識を使って自分をアピールできるような仕事に力を注げるのです。
企業にとっての利点は、最新のテクノロジーに投資することで、実際に収益性が向上することです。
最新のテクノロジーによって従業員がより効率的に働くようになり、ビジネスに利益をもたらすタスクに時間を割けるようになるからです。